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2022.02.07

フリーランスってどこまで経費にできる?経費にできるもの、できないものを解説

「フリーランスになったらどこまで経費で落とせるんだろう?」

フリーランスになりたい、フリーランスになりたての人にとって、使ったお金をどこまで経費にできるか気になりますよね。節税したいと考えつつも、誤った申告をして重大な問題に発展することは避けたいところ。フリーランスは会社員とは異なり、確定申告や納税など自分ですべてやらなければなりません。

 

そこで今回は、フリーランスは使ったお金をどこまで経費にできるのか、できるものとできないものを具体的に解説します。本記事をお読みいただくことで、フリーランスになったときにも安心して、使った費用を経費に計上できるようになるでしょう。

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    フリーランスの経費とは?
    フリーランスの経費とは?

    経費とは、事業や業務のために支出した費用を経費に計上することであり、フリーランスでも個人事業を営む経営者であってもこの取り扱いは同じです。

     

    経費のことを正しく知ることで、煩雑になりがちな申告作業もスムーズに進められます。確定申告の際に慌てて準備しようと思っても、何に使った費用か曖昧になってしまったり、証拠書類が不十分であったり、事前に準備をしておかなければ、正しく経費計上できなくなってしまうことも。ここでは、経費を正しく計上するために大切なことを解説します。

     

    業務で使用した費用が経費

    経費を計上するにあたり、「事業として支出した費用」を誤認してしまったり、申請方法を間違えてしまったりする場合があります。どこからが経費ではないのか悩む方も多いですが、基本的な考え方は「業務で必要な費用であったか?」です。自分の目線だけで考えていると、個人の都合で考えてしまい認められないものまで計上してしまうことも。客観的な視点で考えることが大切です。

     

    経費の計上には証拠書類が必要

    経費を計上するには、証拠書類が必要になります。一般的には領収書ですが、発行されない場合はレシートやクレジットカードの利用明細書を一緒に添付し代用することも可能です。その際に、記載が必要な項目としては下記です。

     

    • お店の名前などの書面作成者
    • 日付(購入した日付)
    • 商品やサービスの内容
    • 購入金額
    • 購入者の氏名や会社名(宛名)

     

    上記の項目を満たしていなければ、正しい証拠書類として取り扱ってもらえない可能性があるので注意しましょう。

     

    領収書が発行されない場合でも経費計上は可能

    お店や業者によっては領収書を発行してくれなかったり、そもそも領収書をもらい忘れたり、代用できる書類でも内容が不十分だったりすることもあります。そのような場合であっても、出金伝票を活用すれば経費計上が可能です。

     

    しかし、あまりに多用しすぎると税務調査があった際に不審に思われる可能性も。高額な出費があった場合は特に、領収書や利用明細書など安心できる証拠書類を準備しておくべきでしょう。

     

    フリーランスが経費を計上することによるメリット

    フリーランスが経費を計上することによるメリット

    フリーランスや自営業になると周囲から「なんでも経費にできていいよな」と、言われることもあるかもしれません。しかし、フリーランスになっても先述のとおり、なんでも経費にできるわけではありません。

     

    あくまでも、事業や業務に必要な場合に使った費用を経費にできるというのが原則ですが、そのことで一定のメリットを受けられます。ここでは、フリーランスが経費を計上することでどのようなメリットがあるのか、具体的に解説していきます。

     

    経費分が節税になる

    フリーランスが経費を計上するメリットは、経費分が節税になることでしょう。売上である総収入から、かかった経費を差し引くことができるため、その分だけ所得を下げられます。それにより、納税する所得税や住民税も下げられるため節税になります。所得に対して掛けられる所得税の税率は下記です。

    ※引用:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

    所得税は累進課税制度のため、所得が増えれば増えるほど税率が上がり納税額も増えやすくなります。そのため、経費を適切に計上して節税することがとても大切です。

     

    住民税については、標準税率という制度があるため、基本的にはどの市町村であっても課税される金額は変わりません。ただし、一部例外な地域もあるため、各市町村の税務署に確認するのがおすすめです。

     

    経費計上する場合としない場合の税金の差

    では実際に、経費をしっかりと計上した場合としていない場合では、納税額にどれくらいの差が出るのでしょうか?ここでは、わかりやすくシンプルな例として、下記内容で所得税の納税額をシミュレーションします。

     

    ・前提条件

    総所得金額:5,000,000円

    経費:1,500,000円

    利益:3,500,000円

    ※所得控除・税額控除・青色申告の特別控除等は考慮しないもの

     

    <経費を計上しなかった場合>

     

    総所得金額5,000,000円 – 経費0円 = 利益5,000,000円

     

    この「利益5,000,000円」に対して所得税がかかります。

    利益5,000,000円を、課税所得金額として先述の所得税計算表に基づいて算出すると、

     

    所得税:1,422,000円

     

    <経費を計上した場合>

    総所得金額5,000,000円 – 経費1,500,000円 = 利益3,500,000円

     

    この利益5,000,000円に対して所得税がかかります。

    利益3,500,000円を、課税所得金額として先述の所得税計算表に基づいて算出すると、

     

    所得税:855,000円

     

    <経費を計上した場合としなかった場合の差額>

    1,422,000円 –  855,000円 = 567,000円

     

    つまり、経費を計上しない場合は、経費を計上していた場合と比べて、納税額が567,000円増えることになります。実際にはこのように極端な例にはならないと思いますが、経費を計上しておく大切さがよくわかりますよね。

     

    さらに、上記の所得税に加えて住民税の納税額も増加するでしょう。住民税は前年の所得に対して課税されるため、翌年分から納税額が変わります。

    フリーランスが経費計上する際に注意すべきこと

    フリーランスが経費計上する際に注意すべきこと

    「経費を計上する大切さはわかったけど、気を付けた方がいいことはあるの?」

    このような疑問もありますよね。ここからは、フリーランスになりたての人が間違えてしまいがちな、経費を計上する際に注意すべき点について解説します。

     

    どこまで経費にできるかの基準について

    経費はあくまでも、業務で必要な費用であったかが基本的な考え方になります。つまり「なんでも経費で落とせる」という、一般的な認識でいるととても危険です。当然ですが、プライベートな支出は経費に計上できないため注意しましょう。

     

    特に気を付けなければならないのは「衣食住」に該当するものです。例えば、スーツなどがわかりやすい例でしょう。営業代理店など主にスーツを着用するような職種であれば、スーツは経費に計上できると考えられます。一方で、ITエンジニアやWebデザイナーなどのフリーランスの方であれば、スーツの着用はほとんどないことが想像できます。そのような場合は、必要経費としてみなされる可能性は低いと言えます。一般的にスーツは仕事で必要なものと考えられますが、業務上必要であること、仕事でしか使っていない、という事実が主張できなければ、経費として扱うことができないのです。

     

    飲食代もプライベートと業務上のものが混同しがちであり、住居についても自宅を事務所として使っている場合は明確な線引きが難しかったりと、注意すべきことがたくさんあります。客観的な目線で、業務で必要だったと言えるものだけ経費にできる、ということを改めて注意してください。

     

    税務調査が行われる際にきちんと説明できる必要がある

    当然ながら法人だけでなくフリーランスであっても、税務調査が行われる可能性があります。その場合には経費として計上したものが、事実に基づき業務上必要な経費であったことを説明できる状態にしておかなければなりません。経費の書庫書類は7年間の保管義務があります。保管している領収書などの書類は、失くさない場所に保管しておきましょう。

     

    不正計上するとペナルティ

    正しく経費計上できておらず、不正計上になってしまうと、ペナルティとして罰則を受けることになります。うっかりな勘違いなど、誤りがあって脱税に該当してしまう場合には加算税が科されます。また、意図的に売上や経費をごまかして脱税をした場合は、より重い罰則が科されます。さらに悪質な場合には刑事罰として扱われることも。法人だけでなくフリーランスであっても、経費の申請については十分慎重に進めましょう。

     

    経費になるからといって使いすぎは禁物

    フリーランスになり経費を計上するようになった方が、失敗してしまいがちなことがあります。それは、節税になるからといって、不必要なものまで買うなど無駄に費用を使ってしまうことです。業務上必要で、今後使う可能性がありそうだからといって購入したものでも、ほとんど役に立たなかったものは、結局のところ無駄遣いになります。いくら節税になるからと言っても、ただの浪費・無駄遣いにはならないように気を付けましょう。

    フリーランスが経費にできる経費の勘定科目
    フリーランスが経費にできる経費の勘定科目

    経費とひとまとめに言っても、帳簿に計上する際にはそれぞれ勘定科目があります。

     

    勘定科目

    内訳

    1.地代家賃

    店舗や事務所の賃借料等

    2.水道光熱費

    電気代、ガス代、水道代

    3.広告宣伝費

    広告や宣伝など、販促にかかる費用

    4.損害保険料

    火災保険、自動車保険など

    5.旅費交通費

    電車、バス、タクシーなどの交通費等

    6.新聞図書費

    新聞、雑誌、書籍、資料収集等

    7.通信費

    電話代、インターネット代等

    8.接待交際費

    お土産、取引先との飲食代等

    9.外注工賃

    外部業者へ発注した費用

    10.租税公課

    事業を行うために支払う税金関係

    11.諸会費

    業界会費、セミナーや講習会の会費など

    12.消耗品費

    比較的金額が安く短期間で使い切れる備品

    13.減価償却費(大きな買い物)

    備品など資産の償却費

    14.支払手数料

    銀行振込、取引で発生する報酬や手数料など

    15.荷造運賃

    商品を運ぶ際の運賃、貨物運賃等

    16.雑費

    いずれの勘定科目にも属さない費用

     

    帳簿に仕訳をする際には、それぞれの勘定科目ごとに仕訳を行います。ここでは、それぞれの費用がどの勘定科目に該当するのか、詳しく解説していきます。

     

    1.地代家賃

    業務上使用する事務所や、ワークスペースの費用が地代家賃に該当します。自宅を事務所にしていれば、生活費と事業費が混在している状態になりますよね。そのような場合は、自宅の家賃に対して、事業に使用したと考えられる割合を合理的な基準に基づき分けます。このことを家事按分と言います。

     

    2.水道光熱費

    自宅や事務所を借りて業務を行っている場合は、水道、ガス、電気、灯油代等の費用がかかりますよね。その費用を計上するときに使用する勘定科目が、水道光熱費です。経費に計上するのが面倒でまったく申請していなかったり、曖昧な計算で家事按分してしまったりと、ペナルティを受けてしまうことが多いのもこの水道光熱費です。

     

    3.広告宣伝費

    商品やサービスを消費者に対して販売するために必要な、広告や宣伝にかかる経費が広告宣伝費です。広告出稿時にかかった費用だけでなく、販促のために制作したデザイン費や印刷費なども広告宣伝費として計上できます。

     

    4.損害保険料

    事務所などを借りている場合に火災保険をかけている場合は、その費用を損害保険料として経費に計上できます。水道光熱費と同様、つい忘れてしまいがちな経費の一つです。注意点として、個人にかける生命保険は経費に計上できません。また、国民健康保険料などは、経費ではなく所得控除になりますので、間違えないように注意しましょう。

     

    5.旅費交通費

    業務で指定の場所へ向かうための交通費として、経費に計上できるのが旅費交通費です。フリーランスで、事務所への移動や常駐先への移動にかかる費用は、旅費交通費に計上できます。また、フリーランスで地方に在住の方は、出張して面談に行く場合もあるでしょう。そのような場合にも経費に計上できますね。注意点として、接待時に利用したタクシー代は接待交際費になります。混同しやすいので気を付けましょう。

     

    6.新聞図書費

    業務上必要とされる、研究や調査、統計などの目的に購入するもの、新聞や書籍、定期購読誌などは、新聞図書費として経費に計上できます。フリーランスとして活動する中で、業務に必要な知識を身に付けるために、ビジネス書を購入したりしますよね。そのような費用も新聞図書費に該当します。定期購読の場合はまとめて費用を払うこともあると思いますが、そのような場合は購読料を支払った時点で経費に計上します。

     

    7.通信費

    取引先との連絡に必要な携帯電話代や、インターネット関連の費用が通信費に該当します。携帯電話については、プライベートと仕事用で兼用しているケースも多いでしょう。そのような場合は、プライベートと仕事用で、按分し計上するのが一般的です。

     

    8.接待交際費

    取引先や業務関係者と、食事や外出をする際にかかる費用が接待交際費です。接待する側で送迎にタクシーを利用した場合にも、旅費交通費ではなく接待交際費に計上します。5,000円以下の場合には、会議費としての計上になります。

     

    9.外注工賃

    フリーランスとして活動している中で、一部の業務を外部業者に委託する場合もあるでしょう。このような外部業者に発注した際の費用は、外注工賃として経費に計上できます。

     

    10.租税公課

    事業を行うために支払う税金など公的な出費は、租税公課として経費に計上できます。「租税」とは、国や地方公共団体に納める税金で、「公課」とは国や地方公共団体に対する交付金、組合費、会費などの公的な課金のことを言います。個人事業税、固定資産税などの事業に関わる税金、不動産取得税、自動車税、登録免許税、印紙税等の税金や印鑑証明書の手数料等が該当します。

     

    11.諸会費

    業務に関連する団体への会費等は、諸会費として経費に計上できます。業界団体や同業者組合の会費だけでなく、商工会議所の会費、セミナーや講習会の会費なども該当するでしょう。取引先との食事や、外出をする際に計上する接待交通費と混同しやすいため注意が必要です。

     

    12.消耗品費

    業務で使う備品の中でも比較的金額が安く、短期間で使い切れるものは消耗品費として経費に計上できます。例えば、トイレットペーパーや洗剤などの「日用品」、文房具や名刺、伝票用紙や印鑑などの「事務用品」などがありますね。パソコンやソフトウェアも取得価額が10万円未満、もしくは耐用年数が1年未満のものであれば消耗品費に計上できます。 

     

    13.減価償却費(大きな買い物)

    有形固定資産と無形固定資産を取得した際の費用を、一度に計上するのではなく、耐用年数に応じて毎年少しずつ費用計上するものが減価償却費です。少額の買い物は消耗品費に該当しますが、大きな買い物をして固定資産に該当する場合は、毎年減価償却していきます。

     

    減価償却費の計上方法としては、耐用年数に応じて毎年決まった金額を計上する「定額法」と、毎年一定の割合で減価償却費が少なくなるように計算する「定率法」があります。例えば、業務で使用するパソコンは、耐用年数が4年と定められています。高額なパソコンであれば資産として扱われ、毎年減価償却費を計上する形になりますね。

     

    14.支払手数料

    取引で発生する報酬や手数料などの費用を、経費に計上する際に使用する勘定科目が支払手数料です。具体的な例としては、金融機関での振込の際に発生する振込手数料や、税理士に支払う報酬などが挙げられます。

     

    15.荷造運賃

    商品を得意先に届ける際のトラック運賃や航空貨物運賃等の費用は、荷造運賃に該当します。卸売業やネット販売などの宅配便配送料、運送料、ゆうパックなどの郵送代だけでなく、荷造りにかかる費用も含まれます。

     

    16.雑費

    事業や業務上の費用で、他の勘定科目に当てはまらない経費は、雑費として取り扱われます。基本的には少額でどれにも分類できないものに使用しますが、むやみに雑費に計上しないよう注意してください。帳簿を見返すときに手間が多くなるだけでなく、雑費の割合が高いと、税務調査などの際にもその内容を詳しく聞かれる可能性が高くなることが想定されます。

    フリーランスが経費にできるものまとめ
    フリーランスが経費にできるものまとめ

    以上、いかがでしたか?フリーランスであっても、経費に計上できる費用の大原則は「事業に必要な費用かどうか」です。業務に必要なものは適切に経費として計上すれば、課税される所得金額を下げられるため節税できます。一方で、経費の計上方法がずさんだったり、誤りがあるとペナルティの対象になってしまいます。税務調査があった際にもしっかりと説明できるよう、準備しておくことが大切です。経費に関する正しい知識を身に付けて、本業に集中できるようにしておきましょう。

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      フリマネ編集部
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